00269-050103 リアルとヴァーチャル
スターバックスで仕事。
11時に入店して本日のコーヒー、コロンビアのtallを買って席に着いてからPowerBookG4で仕事を始め、バッテリーがなくなったのが15:08。検索をかけたりハードディスクを回す作業をしたけれども4時間ほど使えました。
マインドマップ。手書きの方がはるかにその威力を発揮すると思います。せっかく時間を使って作業をするのなら、その効果がより大きい方法を選択すべき。だからMacでヴァーチャルなマインドマップを描くよりも紙とペンでリアルなマインドマップを描く方がいい。それが本当の「頭脳の外部化」だと思います。
ともすると、何でもコンピュータで行う方が「進んで」いて、コンピュータでできる方が「偉」くて、コンピュータでやると「効率的」で、コンピュータを使うと「格好良く」て、コンピュータで見せると「効果的」で……、などという錯覚に陥る危険があります。でもそんなことはない。コンピュータはヴァーチャルな世界しか描くことができない。リアルには絶対にかなわないはず。
大学にいると、ときどき授業の「改善」と称して、ある種の法人などからアンケートを依頼されることがあります。しかし、そういったアンケートの設問はおしなべて、「コンピュータを使うことが授業の改善につながる」「コンピュータを使っていないあなたは遅れている」という主張が色濃くにじみ出ています。shioは聴衆から望まれている場合以外コンピュータを使った講義(スライドなど)を行うことはしませんし、少なくとも私が担当している分野においてはリアルなやりとりの方がはるかに価値があり、効果的な講義ができると考えております。しかし、アンケートにそういう設問を作る人たちに何を回答しても無意味だし、そもそもshioが回答したい選択肢は全く用意されていない(「その他」の欄さえない)ので、shioはそのようなアンケートを受け取ったらその場でゴミ箱に捨てております。見方を変えると、毎年のようにそのようなアンケートが全国規模で行われている現実こそ、まだコンピュータというものの教育における在りようが模索の途上にあることの表れでしょう。コンピュータなんて大した機械ではありません。コンピュータはうまく使えば確かに講義の補完にはなります。しかし、あくまでも教師のことばや身振りなどが主。「語る」ことで学生(聴衆)をエンターテインすることこそが、教師の仕事だと思います。 コンピュータは現実の世界をシミュレートするだけ。シミュレーションにリアリティーがあればあるほど、体験した気持ちになれる。だけど実は何も体験していない。ヴァーチャルな体験はホンモノではないからです。
ヴァーチャルな体験が手軽にできるようになればなるほど、リアルな体験の価値が相対的に増していきます。リアルの体験が豊富な人ほど、ヴァーチャルな体験からリアリティーを想像できます。リアリティーを想像できるから、ヴァーチャルな体験の欠点も見えます。欠落している情報が何かもわかります。つまりリアルな世界の方が明らかに情報量が圧倒的に多いのです。それを五感を駆使して受け止めることの楽しさ。気持ちよさ。
もちろんシミュレーションでなければわからない、見ることのできないものはたくさんあります。そういう分野には大いにコンピュータを利用すべきです。しかし、それを見たときにも、やはりリアリティーを知っている人のみが真の意味を見て取ることができるのではないでしょうか。
shioはMacが大好きです。日々、縦横に使っています。でもリアルなものはもっと好き。たとえば、手紙はMacで下書きをするけれども万年筆で清書します。音楽はMacにキーボードをつないで音を出すのも面白いしGarageBandで手軽に音楽を作るのは本当に楽しいけれど、ヴァイオリンやフルートやピアノを弾のもたまらなく楽しいです。いまや撮影する写真はすべてデジタルだけれども、気に入った写真は必ず写真屋さんでプリントしてもらいます。
リアルとヴァーチャル。
両者の良さを理解して、うまく使い分けていきたいと思います。